
初めて質問させて頂きます。自分は現在横浜の大学に通う3年生(2011年卒業予定)です。
以前から出版社、主に編集のお仕事に興味があり、大学1年の夏から2年の終わりまで、DTPやグラフィックデザインの夜間学校とWスクールをしていました。今春からは、都内にある美術系・幻想文学系の作品やアーティストを扱う、少し変わった(?)出版社でインターンをさせて頂いています。編集のお仕事をお手伝いするということで始まったのですが、なかなか実際の作業にはつけず、雑務処理をしています。最初から実務に携われるとは自分も思っていないので、雑務処理をすることに不満はないのですが、就活の始まる時期になり、このままその出版社に就職できることを目指してインターンを続けるべきか、一般的な就活に専念すべきか迷っています。
他の出版社を目指すのであれば、今からはどのような対策をとるべきでしょうか。新卒で出版社に入るために有利になる情報などありましたら、ご教授願います。長々と失礼致しました。
sanaeさん
ご質問、ありがとうございます。
大学3年時での就職活動への準備について、幾つかアドバイスをさせて頂きます。
まずsanaeさんが現在続けている出版社でのインターンですが、それは貴重な経験と言えます。
任されているのは「雑務処理」と書かれていましたが、それも立派な仕事の一つです。どんな業務であれ実務に携わることは、良くも悪くも『憧れ』と『現実』の差を発見できる環境です。
また自分以外の社内の人がどんな仕事をしているのかにも目を向けることも大切です。もしかすると、それが将来のあなたの姿となるのかもしれないのですから。
出版業を、編集業をより現実的に理解することで、これから就職活動に於いて明確な判断材料となるでしょう。
次にDTPのWスクールに関してですが、それはsanaeさんの努力と熱意の表れという点では非常に評価ができます。
ただし過信は禁物です。インターンの経験も含めて、おそらくsanaeさんの知識やスキルが一社員としての実務レベルに達しているとは言い難いでしょうし、企業側も新卒者にそこまでのレベルを求めることは殆どありません。細かいポイントは会社によって異なりますが、基本的に新卒者には本人の熱意や表現力、コミュニケーション能力が求められます。
「そもそもなぜ出版社で働きたいのか」、「経験や学んだことが実際の仕事でどう活かせると考えているのか」、「編集者としてどういった本を作りたいのか」をまずsanaeさん自身が明確に説明できるようにして下さい。新卒の就職活動では、それができて初めてこれまで自分が取り組んできたことに価値が生まれます。
具体的な就職活動の第一歩を挙げると、出版社に対して就職活動をする際にまず学生が直面するのがエントリーシートや作文といった、提出書類の壁です。記入枚数で言えば作文を含めるとA4で6枚になる場合もあります。書類が通らなければ面接に進むことはできませんので、準備を始めるとすればそこからでしょう。
エントリーシートや作文はネタの面白さや幅広さ、文章力、字の丁寧さ、限られた文字数の中で十分な情報を伝える力などをチェックされます。
少なくとも数百人、多ければ数千枚の中から選考されますので、『自分の伝えたいことを、相手へ分かり易く明確に面白く伝える』工夫が必要です。良い文章の見本は新聞、雑誌、小説、広告のコピー、HPなど身の回りにたくさんあります。それらから面白い、分かり易い表現をを学んで下さい。
いずれにせよ、今は自分の選択肢を限定するのではなく、可能性を広げる時期だと思います。他業界含めて自分がこれまで知らなかったことに興味を持ち、何らかのアクションをしてみることが有意義な就職活動に繋がるでしょう。
長くなりましたが、参考となる部分が少しでもあれば幸いです。
今後も出版.COMを宜しくお願いします。