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第2話 “売れる本”より“残る本”を
本づくりの現場では、いつも「売れるかどうか」が話題になります。
でも、私は思うのです。 “売れる本”より、“残る本”をつくりたい。
数字に追われる日々の中で、ふと立ち止まって考えることがあります。
この本は、10年後も誰かの本棚にあるだろうか。
この言葉は、読み返されたときに、また心に灯をともせるだろうか。
もちろん、売れることは大切です。 でも、売れた先に何が残るのか。 それを考えると、目の前の原稿に向き合う姿勢が変わってきます。
たとえば、著者が悩みながら書いた一節。 編集者が「この言葉は削らないでほしい」と願った一文。
それらが、誰かの人生の節目にそっと寄り添うことがあるのです。
本は、静かに、でも確かに、誰かの心に残るもの。
だからこそ、私たちは今日も「残る本」をつくる努力を続けています。
※この話は、編集者の方からお寄せいただいたお話を元にしたフィクションです。