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第4話 “好き”だけで飛び込んだ、あの日の話
「出版業界って、憧れるけど…自分には無理かもしれない。」
そんなふうに思っていた私が、今、編集者として働いています。
前職はまったく別の業界。食品メーカーで営業をしていました。数字に追われる日々の中で、ふと気づいたんです。 “好き”を仕事にできていない。
子どもの頃から、本が好きでした。図書館で過ごす時間が何よりの楽しみで、物語の世界に浸ることで、現実の悩みも忘れられた。 でも、社会人になってからは、そんな時間もどこか遠くなっていた気がします。
ある日、偶然見つけた「出版業界の求人」。 未経験でも応募できると書いてあって、心がざわつきました。 「好きなことのそばで働きたい」 その気持ちを、どうしても捨てきれなかったんです。
面接では、うまく話せたとは言えません。 でも、「本が好き」という気持ちだけは、まっすぐに伝えました。 そして今、編集部で働いています。
まだまだ覚えることばかり。 でも、初めて自分が関わった本が書店に並んだとき、涙が出そうになりました。 “好き”だけで飛び込んだ世界は、思った以上に厳しくて、でもそれ以上に温かかった。
※この話は、編集者の方からお寄せいただいたお話を元にしたフィクションです。