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業界研究#読み物

第7話:「本づくりの裏側にある、小さなドラマ」

本が1冊できるまでには、たくさんの人の手と、たくさんのドラマがあります。

たとえば、著者が原稿を仕上げた深夜、  
「この章を書きながら泣いてしまいました」とメールが届いたこと。

たとえば、装丁デザイナーが表紙の色に悩み、  
「この本は、読者の心に静かに届く気がするから、青にしたい」と言ってくれたこと。

たとえば、校正者が見つけた1つの誤字が、  
著者の伝えたいニュアンスを守ってくれたこと。

そして、印刷所の方が「この紙なら、手触りがやさしくなりますよ」と提案してくれたこと。

どれも、目には見えないけれど、  
**本の中に、ちゃんと息づいている小さなドラマたち。**

編集者は、そんなドラマの交差点に立って、  
誰かの想いを、誰かの手に届ける橋をつくる仕事なのかもしれません。

本が完成したとき、  
「この本に関われてよかった」と思える瞬間が、何よりのご褒美です。

 


※この話は、編集者の方からお寄せいただいたお話を元にしたフィクションです。